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【日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞記念】日本のクルマづくりのルーツを探る

2020.12.29
松本村井店

2020年ラストブログです。

本日は、中田課長が担当するお客様の武田様が所有しているスバル360(昭和42年式)がフルレストアされたということで

なんと、武田様のご厚意で松本村井店で展示させていただくことになりました!いつもは車庫に眠っているスバル360も寂しがってるので、人目に披露させてあげたいという想いです(現在は展示終了しています)。

たまに大事に飾ってあるスバル360は見かけますが、車検付きの個体は本当に珍しいと思います。

 

ナンバープレートも当時のまま。

軽なのに白い。そして一回り小さい。これが黄色だとイメージ違いますよね。

(武田様、ナンバーまで写真掲載許可ありがとうございます。)

 

そこで、レヴォーグ好きの私、早野がひらめきました!

日本の機械遺産に登録されているSUBARUのルーツ(原点)昭和33年(1958年)に発売された「スバル360」と、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した「新型レヴォーグ」まで、進化の比較してみようと思います。

昭和生まれのスバル360と令和生まれのレヴォーグ。こんな時空を超えたツーショットはなかなか見られません。

 

〜比較その1 価格〜

■スバル360(K111)

本体価格 365,000円

参考:大卒初任給平均30,600円。ただし当時の大卒はごく少数派のエリートだったとか。

■レヴォーグ STI Sport EX(VN5)

本体価格 4,092,000円(消費税込)

時代が違いすぎて、この価値観比較はすごく難しいですね。いろんな事を考えてしまいます。

 

〜比較その2 ボディサイズ〜

■スバル360

全長2990×全幅1290×全高1360(mm)

これでも当時は「大人4人が乗れる!」ってのが宣伝文句。

バイクが多数派で2人乗り以上に憧れた時代背景でしょうね。

■レヴォーグ

全長4755×全幅1795×全高1500(mm)

なんと500mm横幅が広くなってる。シート1人分の幅ですね。

 

〜比較その3 車両重量〜

■スバル360

410㎏

■レヴォーグ

1550~1570kg

スバル360はレヴォーグの一輪分の軽さ。約1/4なんです。

これは相当な努力をして軽量化したと思います。

なんとルーフとリアガラスがアクリル製なんですね。

脱輪しても大人2人で片輪は持ち上げられたそうです(昔乗っていたお客様談)。

 

〜比較その4 エンジン・ミッション・駆動方式〜

■スバル360

360cc 空冷2サイクル2気筒エンジン(EK32)

16馬力 最高速度 約80〜100キロらしい。

16馬力は当時のグロス表示。現代のネット表示に換算すると13馬力。

リヤエンジン、リヤ2輪駆動(RR)

ちなみにバッテリーはサイズに違いはあるものの、当時も似たような物がついていたそうです。もしかしたら、50年余りの進化の中で一番進化が遅い自動車部品かもしれないです。

■レヴォーグ

1.8L DOHC 直噴ターボ 水平対向エンジン(CB18)

177馬力 最高速度は180キロでリミッター。僅か1600回転から300Nmの最大トルクを発生させ、日常域で扱いやすい新世代の水平対向エンジンに、お馴染みのシンメトリカルAWD(常時全輪駆動)の組み合わせ。走行安定性は抜群です。

 

〜比較その5 ヘッドライト〜

■スバル360

ハロゲンヘッドランプ (レストア前はシールドビーム)

■レヴォーグ

アレイ式フルLEDヘッドランプ

夜間ハイビームで走行中、対向車に対して遮光する高性能ヘッドランプです。

ヘッドライトの変移はシールドビーム→ハロゲンランプ→HID→LEDとなっており、それぞれの変換期には明るさの進化に驚きます。

 

〜比較その6 メーター〜

■スバル360

これはこれでレトロで味があります。ちなみに左がウインカー、右がワイパーでした。なんででしょう?

■レヴォーグ

12.3インチフル液晶メーター

新型レヴォーグは国産車初のメーターにナビ表示ができます。未来感満載。

メーターも時代の流れを感じさせる自動車のパーツですね。デジタルになったりアナログ戻ったり。真ん中に行ったり戻ったり。

 

〜比較その7 エアコン、オーディオ〜

■スバル360

ラジオ(AMだけ)はありましたが、エアコンはまだない時代です。

ヒーターは後部エンジンからファンにて室内の床面へ送ったそうですが、冬は途中で冷めてしまい役に立たなかったらしいです。オプションで車用の石油ストーブがあったそうです。興味が湧いてしまいました。

■レヴォーグ

11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ

もはやタブレット!

あと遂に令和になって標準でCDオーディオが無くなりました!無くなるのも時代の流れですね。※一応オプションでCD/DVDデッキの設定はあります。

左右独立温度調整が出来るフルオートエアコンに、シートヒーターまでも完備。リビングでくつろぐような快適さ。

 

〜比較その8 シート〜

■スバル360

当時シートベルトやヘッドレストはまだありませんでした。

堂々とシートベルト非装着で乗っても取締り対象外なんですね。

シートのホールド感は皆無。コーナーリングで横Gを感じること自体が無かったと想像します。

■レヴォーグ

本革シート(運転席10ウェイパワーシート、助手席8ウェイパワーシート、運転席シート自動後退機能)

ホールド性も抜群で、センターコンソールの高さも相待って最高のコックピット感を演出します。

 

〜比較その9 シフト回り〜

■スバル360

3MT   サイドブレーキ

3速しか無いのですが、そのギヤチェンジもテクニックが必要です。シンクロって機構が無いので、エンジン回転をアクセルで合わせる必要があるそうですが、よく想像できません。サイドブレーキの語源はシフトの横にあったからなんですね。

■レヴォーグ

リニアトロニック 電動パーキングブレーキ&オートビークルホールド

最先端の横文字単語ばかり。

 

〜比較その10 足回り〜

■スバル360

10インチタイヤ 割りホイール

冷却効率ゼロのキャップが付いてます。タイヤとホイールの分離はホイールのネジを外して「割る」そうです。これも想像できません。10インチタイヤが無くてBRIDGESTONEに開発、発売を依頼したとか・・・。

サスペンションも他社は車軸式だった時代に、スバルは生まれた時から四輪独立懸架だったことも驚き。室内の広さとクッションの良さを両立させた前輪サスのトーションバー(ねじり棒)は有名。

■レヴォーグ

225/45R18 ZF製 電子制御ダンパーは、「コンフォート」から「スポーツ+」まで乗り心地が変更可能。運転しながらワンタッチで瞬時にキャラクターが変えられるなんて、360の開発当時からは夢のまた夢だったでしょうね。

 

 

以上、スバルの原点から最新へ、昭和から令和へ、著しい技術の進化を感じることができました。

 

実はスバル360は私達の長野県の郷土にとても縁があるのです。

設計統括者の百瀬晋六さんはお隣の塩尻市のご出身。

そして中島飛行機時代から百瀬さんの同僚であり、魔法の足回り開発のリーダーを担当した方が小口芳門さん。お隣の安曇野市ご出身。長野工業高校卒業だそうです。

 

ここから中田課長からいい話が聞けましたので紹介します。

これまた課長のお客様で小口芳門さんの甥御さんがいらっしゃるそうです。その方が子供の頃、叔父である小口さんの思い出話をして頂いたそうです。

以下小口さんの甥御さん、Hさん談です。

 

「俺の母親が小口さんの姉さんなんだよ。自分が子供の頃なんだけど、突然小口さんから夕方に電話が来たんだ。電話の内容は『姉さん、俺たち今、クルマ作ってて、試作車が出来たんだ。これから群馬から長野まで試運転に行くから4人ほど泊めてくれ。』って。俺も家族もワクワクして待っていたんだ。ところが真夜中に電話が来て、どうやら途中で壊れて、いつ着くかわからないって言うんだ。俺は寝てしまったけどね、なんと朝方に学校行こうとしたら叔父さんたちが2台の360乗って到着したんだよ。それを迎え入れようとした母親に小口さん達はなんと、群馬にこれから帰るから食事の時間もないって言うんだ。母親は慌てて握り飯を作って渡してたな。」

以上、Hさん談です。

この話を聞いて私はすごく「羨ましい」と思いました。

まさに寝食忘れて集中する。ってこの事ですね。よほどの情熱を感じます。それだけの魂を持って出来る仕事って羨ましいです。よく考えれば当然ですよね。後の国民車になる車を開発してるんですから・・・。SUBARUのルーツが見えました。

そんなDNAを現代まで引継いでいる我らの「SUBARU」。

ますます自信を持って、世に1台でも多く送り出す事が、我々の使命でもあり、先人への感謝の証であることを改めて感じた編集でした。

 

よ〜し、売りまくるぞ!新型レヴォーグ!

 

 

というわけで、新年1/9(土)、10(日)、11(月祝)、16(土)、17(日)は初売りフェアです。

 

2020年12月30日(水)~2021年1月6日(水)まで、スバル信州は年末年始休業いたします。

皆様よいお年をお迎えください。